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オイルキャッチタンクとブローバイガス大気解放


白煙対策のひとつとして装着した大気解放のオイルキャッチタンク。しかし、オイルキャッチタンクを装着してみても、白煙が完全に消えたということもなく、オイルキャッチタンクにオイルがたまることもなかったのだが、クランクケース内圧コントロールバルブ装着後、これまで機能していなかった大気解放のオイルキャチタンクがしっかり大気解放するようになり、アイドリング中、薄ら白い煙が大気解放口から出てくるのが時折見えるようになった。
これはなぜか、話は単純、クランクケース内圧コントロールバルブを装着する前の状態ではほとんど大気解放していなかったのだ。結論からいうと、IN側カムカバーからサージタンクにつながる純正のベンチレーションバルブを処理せずに、EX側からつないだオイルキャッチタンクで行う大気解放処理は意味なしというか逆効果。「白煙が気になるからオイルキャッチタンクをつけた、でもオイルがたまるわけでもない、ブローバイガスが少ないのかなぁ、こんなもんなのかな」という人は再考するべき、オイルキャッチタンクの大気解放は百害あって一利なしである。今すぐIN側カムカバーからサージタンクにつながる純正のベンチレーションバルブを処理するか、オイルキャッチタンクからインテークに戻す処理をするか、クランクケース内圧コントロールバルブを装着するべき。

なぜこれに気がついたかというと、無理矢理車検を通そうと、大気解放口にゴム栓をしたり外したりして気がついたのだが、アイドリング中は大気解放口は負圧となっていたのだ。大気解放口にはめたゴム栓を外そうとするとシューっと音がするほどで結構な負圧なのだ。で、ゴム栓を外すとどうなのかというと、大気解放口は正圧にならず脈動となってしまい、ある程度圧力上昇を起こした状態でないとブローバイガスは排出されなかったのだ。つまり見た目だけ大気解放というわけである。あわせてこれに気づかせたのは大気解放にしてからはじまったクランクケースシールからのオイル漏れ。
純正のブローバイガス処理はどうかというと、インテークに戻されている。これはなぜか、インテークにホースをつなげることで、インテークに発生する負圧によりブローバイガスを引っ張って抜くことができるようになるわけである。大気解放にしてしまうとブローバイガスの匂いが臭いとか、環境に悪いからというだけではないのである。
さて、ブローバイガスが抜けるとはどういうことか、つまりクランクケースの内圧が抜けるということ。逆に言えば、そのまんまだが、ブローバイガスが抜けないというのは、クランクケースの内圧が抜けないということなのだ。
クランクケースの内圧が抜けなくなりクランクケースの内圧が高くなってしまうということは、ピストンの上下運動が妨げられ、エンジンの廻りが悪くなるばかりか、ターボエンジンであればオイル戻りが悪くなりタービン潤滑不良、タービンシャフトからのオイル漏れによる白煙を引き起こすのだ。
ここまで読んで、大気解放がだめだと理解し、クランクケースの内圧が気になり始めたならば、ぜひともクランクケース内圧コントロールバルブのページも読んでみてもらいたい。

クランクケース内圧コントロールバルブ 製造・開発・販売
株式会社 ナグ・エスイーディ

クランクケース内圧コントロールバルブ
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