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リアキャリパーのプチオーバーホール


リアキャリパーはブレンボのレーシングキャリパーということでダストブーツがつかない。なのでエアヌキ作業時にはパッドも外してマメなチェックはしてきたのだが、1年9ヶ月もの期間おいただけあって右リアのキャリパーがちょっとひきずっている感じ。というわけでちょっとばかしオーバーホール。
中途半端にやらずにシールやピストン交換までやればいいのだが、なにせ交換パーツのお値段がいい、余計なものまで輸入してもしょうがないので、今回は状態チェックを主な目的とする。
作業工程は次の通りとした。キャリパーを接続している上下のボルトを緩め、下のボルトを外し、キャリパーのピストンがローターを越える位置まで持ち上げ、キャリパーをガラクタで落ちないように支える。作業はピストン一カ所づつ行うため、パッドと木片を対象外のピストンにかませ、ブレーキペダルを踏み目的のピストンを外す。ピストンが外れるときはカコン、プシューとピストンが外れる音とフルードが吹き出す音がするので見ていなくてもわかる。フルードは漏れるが、最初のプシュー以降はチロチロという感じなので、そんなに慌てなくとも問題ない。

外れたピストンにピカールを指でぬり外周をなでて状態を確認、引っかかるところがあれば布あるいは1200番のスポンジをつかって研磨した。心配していたピストンは一目見てわかるようなひどい状態のものは幸いなく、グリスのカスが焼けこびりついたような箇所がちょっぴりある程度で研磨で取り除くことができた。また、キャリパーピストンのシリンダーのほうも、どこもサビもなく綺麗で問題なかった。ひょっとしてシリンダーホーニング等の作業が必要かもと、ドリルにつけてシリンダーを研磨できるブレーキシリンダーホーンをアストロ小田原店まで見に行ったりもしていたのだ。
綺麗にしたピストンは側面にシリコングリスをぬりシリンダーに戻した。さすがに綺麗に磨いただけあってシリンダーへの収まりが良い。左右両側のキャリパーの全てのピストンの作業を終え、エア抜きを行ってキャリパーのプチオーバーホールを終了した。
キャリパーのオーバーホールに合わせて長らく外していなかったリアのローターを外してみた。ただ外すだけなのだが、このローター、固着した際にボルトをねじ込むサービスホールがなく、過去に外すのを断念したことがあるのだが、今日はやりきった。
いやぁ、叩いた、叩いた。ショックレスハンマーでゴンゴンゴン、ちょっと回してゴンゴンゴン、また回してゴンゴンゴン、時にハンマーをおいてローターを両手でつかんでガツガツガツと手前に引いてみる。取れない、でまたゴンゴンゴン、途中コーヒーを煎れにいったり、トイレに入ったり、いったい何周叩いたろうか、随分叩いた感じがするが、忘れた。そうやって叩いて引いてとやっていると、あるときガコっと傾く。いよいよだ。叩きどころを考えてゴンゴンゴン、ガツガツ、ガコン。とーれーたー。
パーキングブレーキの部品はストックがあるのだが、今日はやらず、パーツクリーナーをふいておくだけにした。サビが乗ってローター固着の要因になっているハブ部分のサビはサビ取り剤とワイヤーブラシで落としておいた。

シリコーングリス

ワコーズ スーパーシリコーングリス

ブレーキシリンダーホーン

今回使わなかったブレーキシリンダーホーンだが、片押しキャリパーまたは対向ピストンであれば2分割できるキャリパーでないと、このブレーキシリンダーホーンは使う事が出来そうにない。
なぜならお店でみてわかったのだが、フレキシブルになっている部分がかなりドリルに近い所なので、モノブロックのキャリパーの場合、研磨ブラシ部分をシリンダーにきちんと入れられそうにない。ブレーキシリンダーホーンのブラシ部分は可動するので、無理して使う事も出来るかもしれないが、ブラシ部分の可動範囲を考えても正常には研磨できないだろう。
商品の画像を見て、てっきりバネっぽい所で曲げて使えるのかと思っていたのだがそうではなかった。
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