REPORT > サスペンション考察

セミトレーリングアーム式サスペンションとブッシュ


サスペンションメンバーのクッションが生産中止になったことを受け、流用できるものはないかと探している最中なのだが、ここでセミトレーリングアーム式サスペンションとブッシュの関係について調べてみた。
セミトレーリングアーム式サスペンションの場合、前後方向、横方向であろうと、応力がかかった場合トーアウトとなってしまうので、そのトー変化を抑えるためにデフマウントメンバーのクッション、コントロールアーム部とそのブッシュについては可能な限り高剛性なものにして良いとのことだが、サスペンションメンバーのクッションに関しては硬い部分と柔らかい部分の2つの方向性を持っているものでないといけないことがわかった。要はサスペンションメンバーのリジット化はだめということである。
デフマウントメンバーのクッションについては生産中止の際にはウレタンやデルリン等のものでよいとして、コントロールアーム部のブッシュも同様にウレタンやデルリン等でも良い(?)、その先をねらうならピロボールブッシュ?、ここはトー調整に偏芯ボルトがつかわれているが、ピロボールブッシュにした場合、偏芯ボルトで調整できるのか?、できるか、頭がこんがらがってきた。
でも、サスペンションメンバーのクッションがやはり一番の問題である。流用可能なものがない場合、ウレタンやデルリン等を利用することになるだろうが、これで方向性が出るのか?、またウレタンやデルリン等にゴムブッシュと同じように「スグリ」を入れて方向性を持たすことが出来るのだろうか?、ん〜悩む、またそのうちに追記修正することにする。

参考にしたのは「車両運動性能とシャシーメカニズム」という本。この本はほんとにお勧めである。いつも枕元において読んでいる。サスペンション形式毎に豊富な図解と計算式をもちいており、内容は難しいがとても理解しやすく書かれており、サスペンションをいじるのなら絶対に持っていて損はないです。

サスペンションメンバーやブッシュをリジット(固定)にしてしまえというのは、人間の姿勢で例えると、いわば坂道だろうが、足場が悪かろうが、平地を歩く時の姿勢のままでいろというようなもので、結構無茶なことを言っているわけだ。人間もアキレス腱やじん帯が切れたり痛んでいるのであれば、テーピングをして補うこともあるが、陸上競技の本戦で怪我もしていない選手がテーピングで足と膝をぐるぐる巻きで出てくることなど見たことはないだろう。クルマのサスペンションも同様で、ブッシュ類がきちんとしているのであればリジットになどしない方が良いのではないかなと思う。リジットにすることが効果的なのは、あくまでも動きを抑制してしまった方が良いと思われる一部の環境においてのみであり、音や振動といった付随的なデメリットよりも走行時のデメリットを感じてしまうことの方が多いのではないだろうか。
もっとも、今現在のブッシュなどの状態が痛んでいる、もしくは交換部品がないという場合においては、ブッシュ新品時には想定していなかったような不自然な動きが発生してしまうので、その場合には人間にテーピングすることと同様にリジット化するのは効果的かもしれない。

こちらのページにサスペンションに関するオススメ本をまとめてみました。ぜひ読んでみて下さい。
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