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Z10系ソアラのサスペンションの考察(リア)


Z10系ソアラのリアサスペンションはセミトレーリングアーム式となっており、ショックアブソーバーとスプリングが別々に取付けられている。
このため、バネレートや車高を考えなければ、スプリングが長ければジャッキで持ち上げてしまえばよく、スプリングが短ければショックアブソーバーのほうを最大長(Lmax)の短いものにしてしまえばとりあえずはOKという便利?といえば便利とはいえないが、まぁそういう構造である。
ただ、スプリング取付け部分の上下のサイズが、いわゆる直巻スプリングが組み込めるサイズではないため、流用可能なスプリングを含んでも選択肢が限られてしまう。もちろん、さがせばもっと利用可能なものはあるのだろうが、いかんせんリアスプリングのデータがなかなか出てこないので、大抵の方は、タナベのH150、トヨシマの3cmダウンスプリング、エスペリア、RSR等からリリースされる71系マーク2/クレスタ用の3cmダウンスプリングだったり、TBS、EBNのだったりするのではないだろうか。レートにしても、H150:3.92kg、トヨシマはしらない、エスペリア:4.4kg、RSR:4.2kg、TBS:7kg/10kg、EBN:8kg/10kg/12kgといったところしかなく、これに自由長がからむので、あわせるショックの方もおのずと限定されてしまう。豊富なAE86用リアスプリングが素直に使えればいいのだが、Z10系ソアラで利用するには自由長やスプリングの内径の違いから使えない。

そこで、まず考えられるのが、市販でないのなら特注である。
意外にスプリングの特注というのは比較的安価で可能である。いまのところは利用したことはないが、以下のようなメーカーがスプリングの特注に応じてくれる。

スプリングデザイン
ベステックス
CRAFTZ

あるいは、リアサスペンションのスプリングの取付け方法を変更すればもっと面白いことになる。YZさんからリリースされている「リジット式車高調整キット」を利用する方法である。
左の画像のようなパーツをバンプラバーがついていたところに装着してやることにより、車高調整が可能になるというパーツである。
同じセミトレーリングアーム形式のサスペンション形状を持つZ31型フェアレディZ用や70マーク2バン用は既にラインナップされているので、たぶんZ10系ソアラでも使えるのではないかと考えていたのだが、70マーク2バン用は既に最終ロットの出荷を終えており、現在では再販予定は未定となっているとのことだった。

Z10系ソアラへの「リジット式車高調整キット」の適合に関しては、他の汎用キットが使えないか問い合わせたのだが、利用には気をつけなければいけないポイントがあった。
まずこのキットの画像の一回り内径が広くなっている部分、ここが車体側スプリング取り付け部にしっかりかからないといけないということ。てっきり、バンプラバー取り付け部に固定できればよいのかと思ったが、そうではなく、車体側に接していないとキットのロアシート(というかアッパーシート)だけでは、荷重を支えきれないということだった。また、この出っ張り部分が綺麗な円柱台形(?)ならいいが、崩れたプリンのように傾斜している場合も、それを考慮したキット形状が必要となる。で、あいにくZ10系ソアラのこの出っ張り部分は崩れたプリンのように傾斜しているのでこの部分の型取り等ちょっと面倒な話になりそうである。

リジット式 車高調整キット:YS SPORTS CARS
スプリングとダンパーが別々に付く車種のスプリング側に装着する車高調整キット。

こちらのページにサスペンションに関するオススメ本をまとめてみました。ぜひ読んでみて下さい。
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